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satomの健康の友

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なぜ高血圧になるか

『血圧の話』より
 なぜ血圧になるかは、じつはよくわかっていない。医学用語で本態性、特発性、原発性という病名がついているのは、原因がはっきりわかっていないという表現であり、大部分の高血圧は原因がよくわかっていないので、本態性高血圧と呼ばれているのである。このような本態性高血圧が95%以上をしめている。残りの5%弱は原因となる病気がはっきりしている高血圧で、二次性高血圧とか症候性高血圧と呼ぶ。
 本態性高血圧の原因はこれと同定できないが、血圧を上げる要因はいろいろあって、それらがたがいに関連して血圧の上昇にかかわると考えられている。高血圧者の多い家系は昔からよく知られているが、塩分のとりすぎ、肥満、運動不足、飲酒習慣なども血圧を上昇させやすい要因である。しかし、それらの関与の程度は人によって一律ではない。血圧が高い状態は共通であるが、それに関与する要因はまちまちであると考えられる。その意味では、高血圧を独立の一つの病気と考えることには無理がある。
●腎性高血圧
 腎臓病と高血圧の関係についての研究の歴史は古く、高血圧成因論の研究の歴史はこれを中心に発展してきたといってもよい。
…高血圧者の腎臓を顕微鏡で調べても、初期にはなんら病変は見つからないので、腎臓の病変は高血圧が続いた結果おこるもので、高血圧の原因が腎臓にあるという証拠はない、とする学者とのあいだで長い間論争がされてきた。顕微鏡で見ても変化がなくても腎臓のはたかきが異常ないとの保証はないのではないか、との反論が一方ではあったのである。
 腎臓病のとき、浮腫や高血圧がおこりやすいことをご存じの人は多いと思う。浮腫がなく血圧だけがあがることもある。腎臓病がもとでおこる高血圧を、腎性高血圧という。
…腎血管性高血圧は、大動脈から分枝する腎動脈の主幹、またはその分枝に狭窄があるためにおこる高血圧である。
 狭窄の原因としては、動脈硬化、動脈炎、動脈壁の異形成などがおもなものである。このばあいは、腎臓からレニンという物質が出るために血圧が上がる。レニンは血中のタンパク質分解して強力な血管収縮性物質のアンジオテンシンをつくり、これが血管に直接作用し、あるいは交感神経緊張の増加、尿細管からのナトリウム再吸収増加をもたらして血圧を上げる。
●内分泌性高血圧
 …ある種のホルモンが異常に生産されるためにおこる高血圧がある。
●脳・神経系のはたらき
 血管を収縮したり拡張したりする神経を血管運動神経というが、そのはたらきの中枢は延髄にある。延髄にある血管運動中枢はさらに上位の脳のはたらきにの影響をうけ、高等な精神活動をいとななむ大脳皮質とも神経線維で連絡されている。
●高血圧と糖尿病
 最近、高血圧と糖尿病には共通の因子があるのではないかという考えが提唱されている。インスリン感受性低下説というもので、それが高血圧と糖尿病の両者に関係しているというものである。
 


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